30歳。2人の子持ち親父の育児・仕事日記

30代中盤男性の育児日記です。共働き、男の子2人の4人家族。育児について、仕事について、お金についてを徒然なるままに。

【読書感想文】不安な個人、立ちすくむ国家

読書感想文を書かないと読んだことが身にならない。なのでブログに残します。

 

経産省若手プロジェクトが作った本。前半部分は150万ダウンロードされたレポートをまとめたもの。

http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

超雑に要点をまとめると。

  • 自分で判断することが多くなり不安
  • ネットのおかけで情報が多くなりすぎてどれを選んでいいか不安。
  • 高齢化社会で若者が冷遇
  • 昔の成功モデルはもう通用しない。
  • 定年後も働き続けなきゃけない。

→抜本的な改革が必要!

 

ってことでしょう。読みやすいのでサクッと読めます。

 

後半は養老孟司冨山和彦東浩紀経産省の若手が対談するという形ですすみます。

 

超正論。でも、どーしたらいいのかをもっと書いてほしかった

前半はみんなが分かってることを改めてデータをまとめています。分かりきったことでもデータを見れるのは意味があること。これはいい仕事だったと思います。ただ、では具体的にどーすればいいのかをもっと書いてほしかった。シルバー民主主義のことが出てきます。高齢者が多いため、政策も高齢者寄りのものになりがちになることですが、これを打開する案が書いてない。しかもこれは随分前から言われ続けているわけで。そういう意味で前半はデータを集めて見せただけになってしまっています。

 

養老さんの田舎論は…

養老さんは都市には計算されているものしかない。情報化されている。でも、本当の世界はそうじゃない。だから子どものために田舎に住むべきだってことなんですが…分かる部分もあるんですけど、東京育ちとしてはなんだか納得出来ないんですよね。田舎で育ったやつと、都市で育ったやつで人間的な豊かさが違うなーなんて思ったこと人生で一度もないですし。

 

3人に共通するのは共同体をどう作るか

冨山さんはややビジネス寄りな感じでしたが根本はこれだと思います。この本の中じゃありませんが、東さんは以前ニコニコで、

「昔の日本は豊な共同体があった。社会に適応できなくても、共同体で救えた。それでも漏れてしまった人だけを国が助けた。でも個人主義のもとそれがぶっ壊れた。その結果が『保育園落ちた。日本死ね』。昔は保育園落ちたくらいのことは共同体が救えたが、今はそれがない。すぐに国に頼らざるおえねい」

  

という趣旨の話をしていました。そして、これは皆さんの共通認識だったみたい。

 

東さんパートは読んだほうがいい。

個人的に東さんが好きだってのもあるんですが、最近の哲学書では大きな注目を集めた「ゲンロン0」を少しですが、要約して話しています。まずはこの部分を読んで興味を持ったらぜひ「ゲンロン0」を読むことをおすすめします。(ゲンロン0はかなり分かりやすく書いたと東さんは話していましたが、哲学書を読み慣れてなければ難しい部分も結構あります。なので、まずは「不安な個人、立ちすくむ国家」から)

 

正論だけど、書かないでひっそりやったほうが良くね?笑

高齢者の年金を減らし、若者支援にまわす。要はこれをやりたいわけです。当たり前だし、早くやったほうがいい。でも、高齢者が多く投票率も高い以上、選挙でこれをやるのは至難の業。というか、たぶん無理でしょう。しかもこれを経産省というお役人が言ったら…反発あるのは当然。

 

なので、役人の方々は粛々と、黙って、この作業をしていただけたら幸いです。本も出さず、大きくうたわず。着々と。

というのが私の感想で正論だけど言わないで実行した方ががあなた達の希望に沿った社会になるのでは…と感じた1冊。