レンタサイクルで通勤して思ったこと
近所でレンタサイクルを借りる。
ポート(駐輪場)にはスーツ姿の男性、私服で自転車のモニターを確認する若者。大学生だろうか。
レンタサイクルは千代田区や中央区が実施している自転車シェアリング広域実験だ。
乗り捨て可能なので、家の近所で借りて、会社近くで乗り捨て…便利な世の中だ。しかも安い。
モニターをチェックしバッテリーが残っている自転車を選ぶ。以前、残り30%のを借りてしまったことがある。同じミスは繰り返せない。
勝鬨橋を抜けて築地。
仕事を終えた市場関係者が、笑いながらターレーを動かしている。これから寝るのだろうか。
親子でターレーに乗っている。「跡取りが見つからず店を締める。」そんな話を数多く聞いた。彼らは無事、お店を続けられるということなのだろうか。
築地市場が無くなってしまうことをはじめて寂しく思った。
銀座。
朝早いから、といっても9時くらいだが、流石に人通りは少ない。
いつもは中国人観光客がごった返しているが、中国語は聞こえてこない。ただ、欧米から来たと思われる人々がジョギングやらサイクリングを姿を見た。
お国柄なのかな。朝から汗をかくのは。
僕も自転車漕いでるけどね。電動電動。自力はいかんよ。自力は。
有楽町から皇居。
皇居ランナーはほとんどいない。でも、白人のランナーはいる。朝っぱらからすげーなー、ってのと同時に日本で働いているのかな?だったら出勤時間は?いや、観光客?旅行中なのに走るか?
色んな疑問が浮かぶ。でも向こうは走ってるし、こっちは自転車。当然話かけられないし、話すつもりもない。
唐突だけど、好きな旅番組がある。芸人2人が国内・国外を少人数のスタッフと旅するってやつだ。
大好きだった。DVD持ってる。そんな番組が最近つまらない。
なんでだろう。
そうだ。
目的地と目的地をつなぐだけで、道中が無くなったからだ。
移動はロケ車。目的地に着いたらロケして、また別のロケ先へ。
芸人さんからのお願いなのか、番組の意向なのかは分からない。
昔は急に変な人にあったらり、トラブルが起きたり、移動がエンタメになっていた。いや、移動こそがこの番組最大の面白ポイントだったんだ。
でも、それが無くなった。面白くなくなった。
そんなことを自転車に乗りながら思った。
いつも電車の中は本を読むか寝るだけ。音楽は最近、アップルミュージック解禁になったミスチル。
昨日の「通勤時間」なんて全く覚えていない。
でも、今日の「通勤時間」はたぶん覚えてる。あのターレーに乗った親子も、ランニングする白人さんも。
日々、仕事も家事も育児も最適化して生きている。余計なことに頭を使わないように。全部使えばパンクしちゃうから。
最適化は大切。ものすごく大切。
それでも、たまーに最適化の呪縛を解いてみる。
案外、そんなことが日々の暮らしを楽しくする。
いつもより15分くらい家を早くでなきゃいけないけど。
いつもより150円くらいお金かかるけど。
ちなみに、その旅番組はまだ見てますよ。その芸人さんはまだ好きだしね。