漫画「ニューヨークで考え中」はやっぱり素晴らしい
わか1月に近藤聡乃さんの漫画エッセイ「ニューヨークで考え中」の二巻が発売されていた。最近、漫画をチェックしてなくてようやく買って読んだ。一巻あれだけハマったのに。クソー!!!
あいかわらず素晴らしい。
何がいいってニューヨークの「日常」を感じ、観察し、描いていること。
カフェで勉強している時に…
ニューヨークの暖房は…
ありふれた日常を淡々と描いている。
スゴい。
ニューヨークだから書けるってわけじゃなくて、筆者にとってあそこはあくまで日常の生活の場。
考えてみてほしい。日常の生活で見開き1ページ分の漫画になるネタなんてあるか?
たぶん、ほとんどの人がない。私だってない。映画観たり本読んだりした感想とか、仕事なら少しは語れるけど、単なる日常からネタを見つけるって本当に難しい。
近藤さんはそれを難なくやっている。それがスゴい。
日常ってつまらなく見える。でもそれを淡々と面白く描く。
数々のエッセイや漫画も読んだけど、ここまで「日常」を面白く丁寧に書いているのってあんまりない。
「この世界の片隅に」も、日常を愛し、肯定した映画だった。ついついドラマチックな物語に心を奪われる。でもそんな出来事なんて滅多にない。だから惹かれるし憧れる。
日々の暮らしでもそうだ。
転職すれば新しい自分になれるんじゃないか。
セミナーに行けば何か変わるんじゃないか。
それこそ、ニューヨークに行けば…
とかとか。
もちろん、それが悪いわけじゃない。
でも、日常を肯定して、少しだけアップデートする。
それが一番難しいんだけど、「なりたい自分」みたいなものへの近道。
近藤さんが言う「気がつけば6年経ってた」
なんてことない言葉だけど、そんなことを考えながら読むとちょっとやられる。
ついつい神がかった変化を求めちゃうけど。
結局、日常をちょっとだけ頑張る。ちょっとだけ変えてみる。
当たり前だけど難しい。
「ニューヨークで考え中」はそんな自分をちょっとだけ勇気付けてくれた。