30歳。2人の子持ち親父の育児・仕事日記

30代中盤男性の育児日記です。共働き、男の子2人の4人家族。育児について、仕事について、お金についてを徒然なるままに。

「万引き家族」と「焼肉ドラゴン」と「未来のミライ」の家族

話題となっている(いた)3本の映画を見て。思ったことを思ったままに書いていきます。

 

まず、好きな順に並べると…タイトル通りですね。「万引き家族」「焼き肉ドラゴン」「未来のミライ

 

ここから先は多少、ネタバレありです。嫌な方は読まないでください。

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(焼き肉ドラゴンだけ写真撮り忘れちゃった…)

 

 

 

 

 

映画評論家じゃないので一つ一つを掘り下げることなんて出来ません。横断的に書きます。この3つの映画のテーマは「家族」です。見た人みんなが分かる話。

 

ざっくりとそれぞれの家族像を。

  • 万引き家族→劣悪な環境の中で寄り添った戸籍・血縁ではない家族形成の話。そして形成できなかった話。
  • 焼肉ドラゴン→戦後の劣悪な状況の中で血縁しか頼るものがなかった「在日コリアン」。日本にいる「朝鮮人」という大きな血縁の家族の話。
  • 未来のミライ→恵まれた環境の中、結局、血縁と戸籍の家族を大事にしましょう話。

 

あくまで私見です。もっと違う見方もあると思います。教えてください。

 

万引き家族」も「焼き肉ドラゴン」も主人公達は非常に過酷な環境にいます。一方は万引きでしか生計を立てられず、一方は血も言葉も違う人の中で虐げられながらも耐える人達。

万引き家族」は、同じような状況の人達が寄り添って家族を作ろうとします。意識はしていなくても無意識に作ろうとしていきます。

ネタバレですが、最後。家族は家族になれませんでした。現状の日本という制度の中では。彼らが貧困の中で犯罪に手を染めていなければ…でも、そうでなければ家族を作ろうとはしなかったでしょう。人は辛い時は一緒にいれます。辛さを分かち合えるから。

 

焼肉ドラゴンは上記しましたが、「在日コリアン」という大きな血縁の家族の話です。

 

どちらも、特に万引き家族は「新しい家族」という概念を模索しようとした作品だと思います。それが失敗したにせよ。血縁や戸籍ではなく一緒にいることこそが拠り所だった。焼き肉ドラゴンは、これもまたネタバレですが、最後はバラバラになります。しかし、万引き家族とは違いポジティブな終わり方で、バラバラでも血縁さえあれば家族でいられるというメッセージがありました。

 

 

私は家族という概念が嫌いです。あそこから逃げたい人だっているはずです。家族があるからこそ苦しい。逃げたい。でも簡単には逃げられない。

 

この2作はそんな家族という概念を一度作り直そう、見直そうという作品でした。「万引き家族」はいわずもがな。「焼き肉ドラゴン」は一緒にいるだけが家族ではないし、家族は親と子だけではない。広い意味での家族(ここでは民族)を示した作品でした。

 

で、「未来のミライ」…

私、細田守のファンなんです。散々言われた「化物の子」だって楽しんで見れたんです。

 

未来のミライ」はとにかくアニメーションの作りがすごい。ただただ、スゴイ。これだけでも見る価値はあります。

 

しかし、上記した2作品と比べるとあまりにも…別に貧困じゃないからどうことうというわけじゃなく。過去のおじいちゃんに会いに行って、子供の頃のお母さんと会って自分と似てるな〜って…それで家族になっていきますって…主人公が小さいので別れあるわけじゃなく、一緒にいる血の繋がった親子の絆の再確認。みたいな感じでしょうか。日常を肯定するのはいいのですが、今このご時世にあの細田さんがやるべき内容だったのかと…

 

前作「化物の子」は血縁どころか種族も違う2人が親子になっていく物語だったし、その前の「おおかみこどもの雨と雪」も家族という概念をアップデートすべく描かれた作品でした。

 

家族というある種の呪縛から逃れようとする人の「もがき」みたいなものが、細田作品にはあったと思っていたし、「万引き家族」にもありました。「焼肉ドラゴン」はちょっと意味合いが違うけど。

 

家族という言葉がある種、政治的で思想的な意味を持ちはじめた今だからこそ、細田監督が凡庸な「家族を大事にしましょう」というところに戻ってしまったのが残念でした。

 

あ、ただ本当にアニメーションはスゴイっす。細かい描写とか。実際、映画評論家の中では評価が高いみたいですね。

 

人によって、感じるものが違う映画だと思います。ぜひ、一度観てみて、自分は何をどう感じるのか。確認してみてはいかがでしょうか。