「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を」を読んで。
小川たまかさんの本。
とても良い本でした。なぜか昨日、自分のツイートが結構RTされたのでビックリ。400弱だけど私には多いのよ。あとで読むのをRTするのがメインの使い方だから、そんなに読まれないのよ。というか俺しか読まないのよ。
「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。読了。
— sk (@sohei_0924) August 15, 2018
ジェンダー差別を知るための必読書。特に私のような自分自身は差別などしていないと思っている男性に読んでほしい。無自覚ってある。ほんとに。だから少し相手の側を知って想像する。このちょっとが大切。読んで良かった。 pic.twitter.com/qyh7uHsx9P
さて。なぜ私がこの本にそこまで感銘を受けたのか。書きます。
私はマジョリティです。
私はこのブログ通り30代で既婚子持ち男性。マンションを購入し、子供は運良く認可保育園に通えている。仕事も順調、とは言わないがある程度の収入もあるし、やりたいこともやれている。
はっきり言って、マジョリティもマジョリティ。「『ほとんどない』ことにしている側」でしょう。そんな私と同じ属性を持つ人や年配の男性、さらには一部の女性からも、この本に抵抗感を覚える人がいるでしょ。反発はしないまでも、腑に落ちない人もいるでしょう。
で、私はそういう感情を否定する必要はないと思うんです。
私のツイートをRTしてくれた方の中には「ダメだ!」「弱者の立場を理解すべきだろ!」みたいな人もいます。でもね、この本を、弱者(この言葉は好きではないですがあえて使わせてもらいますね)の意見を全肯定すべき!からでは何も始まらないはずなんです。
本の中に特に印象に残っているエピソードがあります。
※ここからはぜひ、本を読んでからにしてもらえると嬉しいです。
中絶を揶揄したような4コマ漫画に対し、女性達が抗議をしました。しかし、筆者は謝罪をすることはありませんでした。しかし、その後、女性たちの意見を聞き、フェミニスト寄りの4コマ漫画を書いたそうです。
これは少し前の時代の話だそうです。小川さんも指摘する通り、炎上→謝罪を繰り返すのは不毛。そこからは何も産みません。炎上して、謝って…炎上して、謝って…謝罪よりも、その後に何を産むかが大切なんです。
対話をするためには相手を知ることが必要です。対話をするためには自分の意見も必要です。
「ないことにされている側」を知らなければ何を話せばいいか分かりません。
「ないことにされている側」への意見を言わなければ対話になりません。
対話をするために、まず知ろう。本を読もう。
相手を知るのって絶対に知識だと思うんです。感性で理解しようとしても出来っこない。想像しても絶対分からない。頭で知って頭で理解する。心で共感しようとかマジで無理です。知識です。LGBT差別も、部落差別も、ブラックフェイスだってそうです。何を彼ら彼女が嫌がっているのか。知ればいい。知るしか方法はないんです。
その後、共感するなり反発するなりは自由。もちろん、ただ罵声浴びせるとか、人種差別的な発言はNGね。まず理解しようと努力して、その上で意見を発することが大切なんです。
とにもかくにも、いい本でした。このタイミングで読めて良かった。
最後に今日の1枚。@銀座ホコ天