30歳。2人の子持ち親父の育児・仕事日記

30代中盤男性の育児日記です。共働き、男の子2人の4人家族。育児について、仕事について、お金についてを徒然なるままに。

【読書感想文】「お金2.0」は簡単に読めそうで意外に難しい…

今、話題になっている佐藤航陽さんの著書。発売2週間で5万部というヒット。幻冬舎とニューズピックスのコラボってことで、意識高い系に売れてるのかな?って思ったらそうでもない人にも読まれてるみたい。電車の中吊りにも広告でてましたしね。

 

読みやすいが、意外に難しい…

パッと見、文字も大きいし、よくある自己啓発系の1つかなと思ったんですが、全く違う。非常に内容の濃い一冊。フリードリヒ・ハイエクの名前が出たかと思えば、ギリシャ神話からの比喩も。著者の教養の深さが伺えます。

 

ただ、キャッチーだからといってこの本を流行りの仮想通貨やFintechの入門書と考えるのは間違い。AIや自動運転も含めかなり広範囲に、網羅的に「お金」にまつわることをまとめているため、一つ一つの説明はそこまで多くありません。私は少し勉強をしていたので理解できましたが、全く無知の方が読んでも???が続くことになります。この手のテクノロジー話って簡単な説明だけだと「あれ?でもここは?」「これとこれ、矛盾してない?」って感じることが結構多いんですよね。簡単な入門書より1冊、ちゃんとしたのを読んだほうが理解が早かったりします。ブロックチェーン革命とか、フター・ビットコインなんかがオススメ。あと、お金の歴史を振り返るならサピエンス全史読んでおくと◎。一冊くらい読んだ後に手に取るべき本かなと。

 

お金は絶対的な価値観じゃない。ツールの一つ。

要約するとこれです。資本主義は文字通り「資本」が第一だったわけです。人はモノやサービスをお金で買っていました。当然、お金がたくさんある人がより多くのモノを買い、質の高いサービスを受けることができます。いつしかお金を稼ぐことが人生の目標となっていったわけです。

消費経済資産経済という言葉あります。

消費経済→仕事で稼ぎ、ものを買う経済。生活に密着した経済

資産経済→金で金を生む経済。株やFXなど。生活とは隔離した経済。

トマ・ピケティが証明したように、今や資本経済消費経済を大きく上回っています。データによると資産経済が9割を占めているそうです。

 

で、この本の新しい点はよくある「みんな資産経済で行きていこうぜー!株やろうぜ!FXやろうぜ!」ってことじゃないところ。ついつい、「お金2.0」なんて聞くとそっちの話かなって思うんですが、全く違います。

 

無料で楽しめる時代。お金の価値は相対的に落ちる。

本体と料金と通信代は払っているでしょうが、それ以外でスマホ、PCのどこにお金使ってます?アプリは基本無料ですよね。ゲームも無料(課金しなくても楽しめます)。ってことで、お金の価値って実はちょっと減ってる。だって衣食住を維持する程度に稼げれば十分に楽しめるんですから。

 

では、お金じゃなければ何が大事になってくるのか。筆者は抽象的ですが、「価値」に注目しています。本書の中では「価値主義」と呼ばれています。

本書の中で非常に分かりやすい例えがありました。

貯金ゼロ円だけど多くの人に注目されていてTwitterのフォロワーが100万人以上いる人が、何か事業をやりたいと考えたとします。すぐにタイムライン上で仲間を募り、クラウドファンディングを通して資金を募り、わからないことがあればフォロワーに知恵を借りれます。

つまり、自分が価値ある情報を提供してさえいれば、人はついてくる。そしてそれをお金や資産に変えることはいつでも出来るってこと。最近、ホリエモンや落合陽一が「金に意味はない」「拝金主義を捨てよう」と言ってた意味がようやく分かった気がします。

 

かなり幅が広いテーマなので一つ一つの事例を学ぶのには適しませんが、私と同じサラリーマンは読んでおいて損はないかと。これからの時代、旧来のビジネスモデル以外に興味がある方は必読と言ってもいいかもしれません。

仮想通貨に対する一つの疑問

これは本書とは直接関係ないのですが、仮想通貨について一言。先日、ビットコインをはじめとする仮想通貨が暴落しました。これには様々な要因が絡んでいますが、最も大きいのは韓国で仮想通貨の取引が禁止されるという報道が出たことです。

ただ、この真偽はひとまず置いておきましょう。

 

ビットコイン保有者は9割が中国人だと言われています。これは中国人が自国の通貨、人民元に対し不信感を持っていて、保険としてビットコイン保有しているからです。(他にもマイニングの件とかあるんですが長くなるんで割愛)

 

仮想通貨は元々は国以外で通貨を発行し、どこの国でも通貨のやり取りがスムーズに出来る、いわゆるリバタリアン的な発想で作られたものでした。私もその思想には大いに賛同し、仮想通貨は多少ですが保有しています。(お小遣い制なんでそんなに多くは買えなかったですけど)。

 

何が言いたいかというと、本来は国に縛られないための通貨だったのが、結局は国の思惑に左右されてしまうというのが何とも寂しいなと思うんです。ビットコインが出てきた時はなんというか、「俺の未来キター!!」って感じだったんですけど。。。期待しすぎ?いや、まだ過渡期ってことなんでしょうか。